手術後~退院まで
手術を受けた5月25日から昨日退院するまでの3週間は想像以上に辛く、記事を書くどころではありませんでしたが、退院という節目にその間のことを記録しておきます。
5月25日 手術当日
午前9時、歩いて手術室に向かう。手術台に横になったまでは覚えているが、その後すぐ意識がなくなる。
当日午後11時頃(たぶん)、「手術終わりましたからね~」という声で目覚める。意識がなくなってから一瞬後のことのように思えた。その前、手術直後に家族と面会したらしいが全く覚えておらず。お腹は激痛。
5月26日 2日目
夕方までICUで、痛みと戦いながら半覚醒状態で過ごす。全く動けず。
その後、一般病棟へ。
やっと自分の状態を把握できるようになった。お腹からチューブが4本、首と腕に点滴、さらに膀胱カテーテル+オムツ。
5月27日~29日 3日目~5日目
本来なら痛みの管理のため背中にチューブを入れる硬膜外麻酔をするところだが、術前の検査で血液が固まりにくくなっているため大事を取り(漏れた血液で半身不随になるケースがあるらしい)麻薬の痛み止めを使うこととなった。
首に繋がった点滴でその痛み止めの麻薬を注入しているものの時々耐え難い痛みの波がやってくる。昼も夜もなく一日中まどろみながら過ごす。
3日目にはベッドサイドに立ち上がり、4日目には病棟を歩く。
この間(いつだったか忘れた)に膀胱カテーテルとオムツが外れた。幸い1度もオムツを汚すことはなかった。ひとつ屈辱から逃れられた^^;
5月30日 6日目
食事再開!と言っても流動食。
重湯、出し汁、乳酸飲料。不足分は点滴から。
ここで僕が受けた膵頭十二指腸切除術について。
腫瘍が見つかったのは膵臓の膵頭という部分で、膵臓はここで十二指腸と一体化しており十二指腸に膵管を通して消化酵素を送っている。また肝臓からは胆管を通して十二指腸に胆汁を送っており、僕の場合は膵頭部の腫瘍により胆管も圧迫していた。
なので膵頭(膵臓の3分の1くらい)と十二指腸すべて、胆管などを切除し、小腸に胃を直接繋ぎ、さらに胆管と膵管も小腸に縫合するというアクロバティックなものでした。通常で8~10時間ですが僕の場合は胆管がまわりの組織に癒着しておりそれを剥がすだけで4時間ほど余分にかかり、結局13時間かかったとのことです。
あとで知ったのですが消化器手術の中では最も侵襲が大きい手術のよう(*_*;
5月31日 7日目
この頃からやっと人と話すことができるようになり、見舞いに来た兄弟と面会。
6月1日 8日目
夜8時過ぎ、突然主治医が病室にやって来て「今からチューブ抜いて抜糸します。」
と言って、お腹に挿入してあった4本のチューブと腕の点滴針を抜き、切開痕のホチキス?をパチンパチンと取っていった。音を数えてたら27個のホチキスで留めてあった。
6月2日 9日目
ご飯が三分がゆに昇格。
6月2日 10日目
最後まで残っていた首の点滴も外れ自由の身に。
この夜、下腹がキリキリと痛み下痢との戦いが始まった。
6月4日 11日目
術後初めての体重測定。
47.5kg!
食事はだんだん固いものに変わってきているが食べたものがすべて、というより食べる以上に出て行ってしまってる気がする。
6月5日~8日 12~15日目
下痢との戦い、そして時々襲ってくる痛みを内服の痛み止めで抑えるが夜は眠れず。
初めて睡眠薬を服用。術後2週間、そろそろ入院生活に辟易しだした。
6月9日 16日目
2ヶ月振りに散髪、病院内の美容室で。頭にカサブタがあると指摘された。術後2日目にたん瘤があることに気付いたが、全く心当りがない。手術中に暴れたのだろうか?
6月10日~11日 17~18日目
食後の下痢の時以外は自由に動けるくらい回復したので暇を持て余すようになってきた。時々訪ねてくれる見舞客が楽しみに。
6月12日 19日目
個室から大部屋に移動。ずっと続いていた食前の血糖値測定もなくなった。
4箇所あったお腹のチューブを抜いた痕の内、1箇所がなかなかくっ付かず大きな穴が空いていた。夜、そこを3針縫った。退院も近い予感。
6月13日 20日目
外出を要請。認められ朝から夜まで一時帰宅。退院へ向けてのアピールでもある。
6月14日 術後21日目 そして入院から33日目
朝、主治医から退院OKが出る。ヤッタ-!!!
9時頃、事情を知らぬ同僚が二人見舞いに来た。辛うじて会えてよかった。
予定より1週間早いものの、僕にとっては長く辛い入院生活がやっと終わった。
とはいえ、今後は食事と排泄がコントロールできるようになるまで自宅療養が続きます。
二度とここに記事を書くことがなければよいけれど。